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第7章 退院

その後、両家揃っての会食で、相変わらず父は病院の自慢を始め、製薬会社重役の相手の父親も、病院経営のお手伝いが出来れば…
等と、お互いのメリットの確認が始まり、
母親同士も短所と言いつつ自分の子の自慢話を始める。

仲立ち人に『若いお二人も何か話されては…』と促されたが、特に興味もなく。

相手の方から『趣味は…』と訊かれて、読書と答え、それ以上会話も広がらずに終わった。

その後の散歩という二人きりの時間は雨上がりの花々を眺めては、雨粒ちゃんが花びらに降ったらどうなるかを考えていた。

どうやら、生け花を習っているらしく、花の説明をしていたのだが、名前や見所など聞くよりも、実際に見てどう思うか以上の興味がない僕は、『はぁ』とか『へぇ』とか気のない返事をしていた。