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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第13章 柊屋敷の嫁御様
「…してないわよっ!!」
姫は思わず大声で答えました。
サクナが去った後、掛け布に埋もれたまま寝台に突っ伏して恥ずかしさに唸っていたら、程なくバンシルが来たのです。
その後は着替えて髪を結って貰い、奥様の心得についてクロウの講義を受けたりしていたので、何かするような時間など有りません。朝サクナに火を点けられた体のことは、先程サクナを待っていた時まで、ころっと忘れておりました。

「ああ、いい子で我慢できたのか?偉かったなぁ」
「う……ばかっ!!」
また耳元で囁かれ、その上耳の後ろを擽られて、姫はサクナの手をぺしっと払いました。

「おい、スグリ。ちょっとあっち見てみろ」
「え?…あ」
身を離したサクナに言われた内容と声があまりにも普通だったので、スグリ姫は何の気なしに指差された方を見ました。
そこには、鏡台が有りました。
鏡の中に映っている自分は、先程擽られた髪が解れて、しどけなく頬に掛かっておりました。髪の纏わっている頬は薔薇色に上気して目は潤み、口元は誰かに触れられるのを待っているかの様に緩く開かれ、ぼうっと夢を見ている様な、切なげな表情を浮かべていました。

「ほら見ろ。エロいだろ?」
「…うー…」
「分かったか?お前、時々こんな顔してんだよ。もっとエロい顔してる事もあるぞ」
「…ううう…」
「お前は嘘が吐けねぇからな、何でも素直に顔に出ちまう。そこが可愛いんだけどなぁ」
「…んっ…」
サクナに頬に触れられた姫はぴくっと震え、目を伏せて小さく溜め息を吐きました。

(…あー…こいつ、全っ然、分かってねぇよな…)
今の姫の仕草ひとつひとつが、どれも全て目にした男をずくりと疼かせる様な艶を含んで居る事と、本人がその事にまるで思い至らないだろう事に、サクナは苦笑しました。

「…お前がこんなエロい顔してる時に都で男と会う機会でも有った日にゃあ、俺は、心底困る」
自分の女が自分の手でこれほど色香を放つ様に育った事は、嬉しく満足な事で有りました。が、自分の目の届かない所でも本人が自覚無くこれを振り撒くかもしれない事を考えると、手放しで喜ぶ事など出来ません。

「…心配で夜も眠れねぇし、仕事にも差し支えるかもしれねぇな…」
頬を撫でられながら呟かれ、姫はうっとりと聞いているのか居ないのか分からない様子で居りましたが、「仕事」という単語が出た途端、はっと顔色を変えました。
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