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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第13章 柊屋敷の嫁御様
自分を慰めてみたことは何度か有りますが、イったと思えるほど気持ちよくなった事は、有りません。
以前も結局最後は手伝って貰いましたし、サクナの居ない時は結局イけずに不満が残ったまま、不貞寝したりもしておりました。
しかし、これからはそれではサクナが困ると言うのです。夫を安心させるのも妻の仕事だと言われ、姫は責任の重さを実感しました。

(…そっ…そういうのも、妻の務めなのね…!私が一人の時でもちゃんといけないと、お仕事に差し支えるかもしれないなんて…考えたことも、無かったわ…!!)
それが妻の務めで責任重大かどうかは家庭によると思うのですが、夫に対しても快楽に対しても熟れ切った果実が落ちる様に従順な姫は、がんばらなきゃ、と決意を固めました。

「分かったわ、やってみるっ!」
素直で単純でちょっとお馬鹿な姫は、サクナにきっぱりと宣言しました。
「よし。じゃあまず下着脱いで、自分でそこ触ってみろ」
「う…うんっ…」
姫のきっぱりした態度は、一言しか持ちませんでした。
足を少し開いてスカートをたくし上げ、下履きをもぞもぞ脱いで長椅子と自分の隙間にこそっと隠し、サクナが示した場所にそっと指を這わせました。

「あ、やんっ…」
触ってみると、指がぬめりを纏った柔らかく暖かい肉の感触を捉え、体にぴくっと小さな快感が走ります。

「もう濡れてんだろ。お前、濡れんの早ぇよなあ」
「ばかっ!…ん…ぅ…」
こちらをじっと見ているサクナに自分の状態を見抜かれからかわれて、姫は自分のしていることが急に恥ずかしくなりました。気持ち良い事は良いのですが、自分を止められなくなる様な、激しい気持ち良さとは全く違う感じです。

「うー…だめっ…集中できないぃ…」
(このままじゃ、ずーーーっと触ってたって、いけないわ…)
姫はがっくり項垂れました。

「おい、そこで諦めんな。ヤル気出せたご褒美に、良い物やるよ」
しょんぼりしている姫を見たサクナはテーブルの上の籠に手を伸ばし、中から細身の瓶を取り出しました。

「なあに?…飲み物?」
スカートの中から手を戻しながら、姫はぼんやりと呟きました。手巾で濡れた指を拭いながら見ていると、サクナはナイフを出して蝋付けしてあった瓶の蓋の周囲を切って、開封しました。
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