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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第13章 柊屋敷の嫁御様
「…もしかして、夜の生活が、上手く行ってらっしゃらないの?」
「…ふぇ?」
そう尋ねられたスグリ姫は、面食らいました。まだ「夜の生活」の質問に答えが出せていませんでしたが、単に上手い答えが探せなかっただけで、決して「夜の生活」が上手く行っていない訳ではなかったからです。

「サクナ様がご結婚されない理由は、夫婦生活にご興味が無いからだって噂も有りましたのよ」
「女には興味が無いんじゃないかって噂も御座いましたわね?」
「人間には興味が無くて、果物とご結婚なさりたいんじゃないかって言う噂も」
「皆様!いくら何でも失礼ですわ!」
「…果物と、結婚…」
奥様方の挙げた噂の余りの身も蓋も無さに、若奥様は思わず声を荒げました。
が、姫はそれを聞いているのかいないのか、奥様方の言葉を、ぼーっとオウム返しに口にしました。

「ごめんなさい、スグリ様。根も葉もない噂ですから、どうぞお気になさらないで」
おろおろと謝罪する若奥様の耳に、姫がぼーっと呟くのが聞こえました。
「…仰る通り、かもですわ…果物と、結婚…」
「は?」
奥様方の口は半開きになり、若奥様の口も、ぽかんと開いたままになりました。
「えーっと、サク…」
(…はっ!サクナの名前って、今のうちから公的な呼び方に改めておいた方が、良いのかしら…!!)

奥様方に説明しようとした姫は、一旦言葉を止めました。そして頭の中で「公的な呼び方」を何度か試して軽く身悶えした上で、思い切って口を開きました。

「えっと……主人っ…が婚約前に私の事を、『自分だけが見つけた世界で一番美味しい果物だ』って言ってたことが有って…だから、今でも果物と結婚したいと思ってるのかも?って、思いますわっ!」

新しい呼び方に悶えながら話す姫の言葉を聞いていた奥様方は、若奥様も含めた全員が、発言内容の余りの惚気っぷりに、一瞬意識が吹っ飛びました。

「……そ…そう、ですの…」
やっとのことで相槌を打ったある奥様に、「主人」呼びの身悶えから立ち直った姫は、達成感に満ちたすっきりした微笑みで答えました。

「ええ!それで私、この方は果物が本っ当にものすごく大好きで大事なんだなーって、そう思ったんですのよ」
「…え。」
奥様方は、もしかして姫の解釈は微妙にずれているのではと思ったのですが、発言した本人がこの場に居る訳では無いので、誰もその疑問を口にしませんでした。
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