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愛の調教バトル
第3章 調教前夜・男

 とうとう明日は、あの子を初調教する日だ。



 実は私は、あの子を奴隷にしたくない。

 それは初めて会ったあの日、心ならずもあの子を遺して世を去った亡きご両親の願いを痛切に感じ、今後は精神的な面であの子の親代わりになってきっと幸せにすると、心に決めたからだ。



 ご両親は、あの子をとても愛し大切に育ててきたにちがいない。

 それは、会えばもちろんメール交換であっても、あの子と話してみればわかる。

 少なくても、私はそうだった。

 そうでなくては、あの子があれほど素直で純真で、人を愛し信じる気持ちを溢れるほど持った女の子に、育つはずがないのだ。

 メールのやり取りの中で、本のこと以外にもいろいろ触れて話すことを通じて、私はそれをひしひしと感じ取っていた。



 あの子が大きな悩みを抱えていたことは重々承知していたが、メール交換を通じて信頼関係を築くことができれば、そのうちいつかあの子から話してくれる日が来るはずと思っていたので、緊急用ホットラインのメールアドレスだけ教えておき、そのことそれがを聞き出そうとは敢えてしなかった。

 それが会う前日、ホットラインのアドレスにあの子からのSOSのメールが届き、私たちは会って話すことになった。


 そして喫茶店で、身の上話を含め悩みについてのすべてを、洗いざらい私に話してくれた。

 驚いたのはあの子の話が、断片的な部分もあるにはあるが、肝心な部分が抜け落ちることなくよく整理されていることだった。

 お蔭で話を聞き終えるころには、解決への糸口がはっきりと見えてきて、あとはあの子と一緒になって考えながらそれをどんどん手繰っていくと、すんなりと原因にたどり着くことができた。
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