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イかせ屋…2
第3章 その男、絶対的につき…



そうやってお料理は全て終わったはずなのに…。


「失礼します。」


そう言って私達が居る個室に男の人が入って来る。

着物姿に白い前掛けをしてる中年の男。

このお店の料理人の人?

年代は多分、40代半ば…?もしかしたら30代?

だけど、その男の人。

有り得ないくらいに綺麗な顔立ちをしてる。

なんとなく、昌さんのお兄さんの昊さんと似てるとも思う。

昌さんと昇君は厳つい親分様にそっくり。

昊さんだけが女性のように綺麗な顔をしてるのに目付きが冷たくて、冷たい声で私に嫌味を言う。

その昊さんに似た男の人。

似てるけれど、全く昊さんに似てないとも思う。

何故なら、その人が私を見てゆったりと微笑む。

まるで春のぽかぽかの日差しを感じさせる、とても暖かい笑顔…。


「お料理の方はお口に合いましたか?」


その素敵な笑顔のダンディーなおじ様が私に向かって聞いて来る。

柔らかい物腰…。

爽やかな笑顔…。

昌さんがここに居なければズキューンと恋に堕ちたいと思わせるようなおじ様…。

いやいや、浮気をするつもりはありません…。


「はい、どのお料理も美味しかったです。」


とにかく、料理人さんみたいだから素直にそう答える。


「それは良かった。で…、昌?ちゃんと彼女を紹介してくれるかな?」


おじ様が今度は昌さんにそう言う。

やっぱり身内だ。

そう思った瞬間だった。


「母の弟で藤原 清太郎(せいたろう)さんだ。彼が今のイかせ屋の本家だ。」


昌さんの言葉に目が倍くらいに見開く。

この素敵なおじ様が本家本元のイかせ屋!?


「杉田 梓さん、俺が結婚を考えてる人だ。」


昌さんが目を剥いてる間抜けな私を清太郎さんに紹介をする。


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