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イかせ屋…2
第4章 その男、弱い生き物につき…



私の不機嫌に昌さんが眉を寄せる。


「本家で何かあったか?」


心配そうな顔…。

私に嫌われるのを本当に怖がってるとわかる。


「本家はとても親切でした。昌さんはなんの仕事をしてたのよ?」

「ああ…、それなら…。」


そう言った昌さんが着物の袂から名刺入れを出す。

名刺?

初めて見た。

イかせ屋に名刺なんかあるの?

昌さんに差し出された名刺を見る。

たっぷりと1分近くを私は凍り付く事になる。


「梓…、梓…?大丈夫か?」


心配そうに昌さんが私に聞く。

いや、聞きたいのは私の方だ!


「これって!?どーゆー意味よ!?」


そう叫ぶ私はちょっとお洒落な湯豆腐屋さんに昌さんに連れて行かれた。

お昼だからランチにお豆腐のコース料理を食べようと昌さんが言う。

お豆腐は間違いなく美味しい…。

湯葉料理も絶品。

だけど…。


「説明をして…。昌さんが『Beau』の取締役代表って…、どうなってるの?」


名刺を見ながらそれを聞く。

『Beau』はエステサロンの会社。

女性の知名度は100%のエステサロン…。

全国展開をされてるし、テレビのCMでもお馴染みの会社。

『Beau』はフランス語で美しいという意味。

かなりの高級エステで上客だと日本では当然、タレントさんや女優さん、海外でもハリウッド女優さんや歌手が居るという噂…。

そんな高級エステでも、コースに一般庶民でも受けられるオーソドックスコースがあるから、前の会社の女の子達と私自身も何度か行った事がある。

お値段は普通でサービスと技術が有り得ないくらいに素晴らしいエステ…。

二日酔いの肌荒れや足の浮腫みなんか1発で治してくれるエステだから、予約が難しいという問題以外はパーフェクトなエステだった。



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