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イかせ屋…2
第10章 その男、イかせ屋につき…



2週間…。

待つだけの日々が続く。

昌さんとは会ってない。

お料理教室だけは通い続けたけども植草君とも合わないようにとレッスンの時間をズラした。

親分様とお茶会をしたかった。

それも我慢する。

割り切らなければ…。

そればかりを考える毎日だった。

清太郎さんから携帯に連絡が来る。

イかせ屋の予約日の決定がされる。

携帯の向こうで清太郎さんが私を心配する。


『本当にこれでいいの?』

「ごめんなさい、清太郎さんにはとても嫌な予約ですよね?」

『別に僕はいいよ。甥っ子を裏切るのは辛いけれど、それが仕事だからね。』

「ありがとうございます。」


清太郎さんにイかせ屋との待ち合わせ場所を確認して電話を切った。

明日、渋谷のハチ公前…。

時間は夕方の5時。

寝不足は嫌だと早めに寝る。

翌日は身体の手入れを念入りにする。

相手はイかせ屋。

みっともない姿は晒せない。

シャワーを浴び、全身の無駄毛の処理する。

全身にオイルを塗り、股間の手入れは特に念入りに行った。

髪を結い、戦闘服に着替える。

時間になりタクシーで渋谷に向かう。

今夜…、昌さんとの関係を割り切る為にイかせ屋に私は抱かれる。

涙は絶対に無しよ。

何度も自分に言い聞かせる。

ハチ公前に到着する。

10分前に着いたのに着物を着たイかせ屋はもうハチ公前に立ってる。

ゆっくりとそのイかせ屋に近付く。

イかせ屋が驚きに目を見開く。


「梓…。」


この時の驚愕の顔をした昌さんを私は一生忘れられないと思う。


「まさか!?」

「そのまさかよ。依頼人は私。」

「なんで?」

「理由はオーダーで聞いてるでしょ?」


意外と冷静な自分に驚いた。



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