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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第8章 ビスカスくんの一番長い日
「あああ、びっくりした!驚かさねぇで下せえよ」

本っ当に、びっくりしたねー。サクナ様ぁ図体はデカいが、身のこなしは獣みてぇに慎重だからねー。気がつくとそこに居た、って事がよく有る。
だが、突然声掛けて来んのは、止めて欲しい。俺ぁ心臓が止まるかと思いやしたぜ。
サクナ様はぼやいてる俺と黙りこくったお嬢様の顔を交互に見て、眉を顰めて呟かれた。

「…あー…お邪魔だったか?」
「え」
待て。
お邪魔って、何だよ。
「全然!全然ですよ?!あの、お嬢様が酔っ払われてですね、」
「何よ!私、酔っ払ってなんか無いわよ!」
…こんの、酔っ払いが…!
人が適当に誤魔化そうとしてんですから、黙っといて下せぇよ!!色々聞かれちゃ、面倒くせぇでしょうが!!

「そうか」
ところがサクナ様は、珍しく何も聞いて来なかった。
「何も無いなら、それで良い。邪魔して済まなかったな」
何だそりゃ。気持ち悪い程殊勝なサクナ様に、俺は拍子抜けを通り越して、訝しい気持ちになった。
「何か、有ったんで?」
「いや、まだ何も。このまま何事も無く終わって欲しいもんだ」
サクナ様は遠くの宴席の喧騒の方を窺いながら、呟いた。

「考え過ぎじゃねーんですかい?いくら今日は出入りが多いったって、招待客かどうかは、二重に確認されてるみてぇですし」
今日はここん家は来客が多いので、門と入り口の二カ所で確認をしていた。門では招待状を確認し、入り口では人間離れした記憶力で招待客全員が分かるクロウが、挨拶しながら確認してた。妙な輩は、入れねーだろ。

「分かんねえぞ。前例が有りやがるからな」
この屋敷の人の出入りは、普段も厳重に管理されている。
稀少な物が有るとかある程度纏まった金や売れそうな物が有るとかいうのも理由だが、取って代わりたいと思ってる奴や商売上で痛い目に遭わされている奴が何して来るか分かんねえ、というのも理由の一つだ。
噂だが、先代が亡くなった病の原因は、暴漢に襲われた際に毒を使われたからだとかなんとか聞いた事が有る…噂だけどな。

「俺が見た所でも、別に変なこたぁ無さそうでしたがねー」
「だと良いんだけどな」
サクナ様に頼まれた事の一つは余興の手伝いだが、もう一つは「不審な奴が居ねぇかどうか気をつけといてくれ」って事だ。そして多分こっちのがサクナ様としちゃあ重要な頼みだ。
スグリ様が、よっぽどご心配なんだねー。
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