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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第11章 嗜みは必要です
「亡くなった妻の、一番上の姉の末の子のリアンだ。確か、お前も以前会った事が有るな?
 今回招いたのは、甥としてでは無い。ローゼルの見合い相手としてやって来ている」
「はい」

 旦那様はそこで一旦言葉を切って、じろりと俺を見た。
 ……分かりやす。お嬢様と俺との婚約騒ぎについて、仰りてぇ事が有んですね。
 もし俺が婚約を受けてたら、ここでぶん殴るだの説教だの苦言だの不満だの要望だの励ましだのが有ったんだろうが、綺麗さっぱり流れた後だ。文句の付けようもねぇだろうし、俺を慰めるのも変だろう。
 そんな事を考えたんだかどうなんだか知らねぇが、旦那様は咳払いして、先をお続けになった。

「……そんな訳で、ローゼルはしばらく果樹園の仕事は休ませる事になった。お前の体調もまだ完全に元には戻っていないだろう。護衛の仕事とローゼル付きは、一旦解任とさせて貰う」
「……首ですか。」

 思わず呟くと、領主様はイヤーな顔をされた。

「誤解するな。あくまでも一時的な物だ。見合いの間はローゼルがほとんど外出しないのだから、護衛は必要無いだろう?
 それに、在宅するとなると、世話をする使用人は幾らでも居る。見合い中に、わざわざ、男が……しかも、お前が、ローゼルの世話をする必要は、全く無い」

 お。ちくりと刺さされたね。刺されはしたが、それだけだ。深追いはされなかった。

「とにかく、お前はまず体を治せ。仕事をするにしても簡単な物だけにして、ゆっくり養生すると良い」
「畏まりました」
「それから、ローゼル付きを離れるのだから、リアンに挨拶する機会も減るだろう。早い方が良い。部屋で休む前に、今から挨拶して置く様に」

 下がっていいと合図されたので、頭を下げて退室した。
 結局領主様は、例の婚約騒ぎの件を、はっきりとは口にされなかった。タンム様から顛末を聞いた事も有るだろうし、新しいお相手が決まった今となっては、終わった話を蒸し返すのも意味がないと思われても居るんだろうねー。
 一言で言うと、無かった事にしてーんですねw
 ……それで良い。
 お嬢様が俺と婚約しようとしたなぁ青天の霹靂だったが、お嬢様の見合いや縁談は、いつかは来ると思ってた話が遂に来たって、それだけだ。
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