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SSS
第1章 誓いのイースター・エッグ
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四月一日、午後六時–––
ピンポン
「はーい!」
鳴らされたインターホンに、美和は玄関へ走って行った
「ちわっ!」
「陽菜乃ちゃん、大学入学おめでとう!……って、もう茶髪?」
「えへへ、大学デビューってやつ?」
無事入試を乗り切り晴れて大学生になる陽菜乃は、そこまで明るくはないが既に髪を染めていた
「用意出来てるよ」
「うん、ありがとう!」
陽菜乃は慣れた様子で家に上がり、美和についてリビングに向かう
彼女が合格したのは地方の国立大学。
一人暮らし前の最後の思い出作りにと、そこには大量の卵が用意されていた
「……本当にこんなんでいいの?」
「いいの! だってこの辺のお出掛けスポットはもうコンプしちゃってるし、こっちの方がいっぱいお喋りできるじゃん!」
「まぁ、ね」
今日はイースター。
本来日本の文化ではないが、卵のデコレーションは女子としてはかなり楽しい作業だった