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本の夢…
第6章 初めてのデート



お母さんはお酒臭かった。


「何をしてたのよ!」


お母さんが金切り声をあげる。


「図書館で勉強をしてたんだよ。クラスアップが出来るって先生が言ってたもん。」

「嘘おっしゃい。アンタみたいな頭の悪い子なんか産むんじゃなかった。」


さすがにショックだった。

だから家を飛び出した。

おばぁちゃんの家に行った。

叔母さんと話をした。


「お母さんもお父さんも私に一人暮らしをさせる予定だよね?だったら今すぐに一人暮らしをするよ。」

「高校生は無理なのよ。大学に行くまで我慢をしなさい。幸恵さんは今日がバレンタインデーだから八つ当たりをしただけよ。」

「なんで?」

「幸恵さんの恋人には妻子が居るからよ。バレンタインデーの今日はさすがに奥さんのところに帰ったんじゃない?」


自分勝手なお母さんに腹が立った。

絶対に大学に行ってやると決心をする。

3月になって春休みになった。

お父さんからお母さんに家に帰るなと連絡が行ったらしい。


「冗談じゃないわ。この家の頭金は半分は私が出したんだから夢なんかの為に帰って来んなとかあんな男に言われる覚えはないわよ。」


そんな嫌味を浴びせられたから、叔母さんに相談をするのも止めようと思った。

学校に行きたかった。

部屋に籠って勉強をする毎日の春休みが嫌だった。

先生との約束の日だけが待ち遠しくて、その為だけに頑張った。

ホワイトデーの朝は早く起きる。

朝ご飯を食べて駅に向かう。

電車で30分…。

終点の駅まで電車に乗る。

それが先生との約束だから…。

家や学校の近くでは待ち合わせが出来ないから、終点の駅で待ち合わせをした。

10時の待ち合わせ。

10分早く着いちゃった。



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