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本の夢…
第10章 卒業



冬休みまで毎日図書館に通う。

それは先生とイチャつく為じゃない。

恋愛小説ばかり読んでいた私は他の本も読むようになっていた。

図書館にはどんな本があってどんな本がどういう時に役に立つのかを考えながら本を読むようになった。


「この本はどうかな?」


先生がお勧めの本を私に見せてくれる。

本の間にはメッセージ…。


『クリスマスは?』

「楽しみです。」


先生に答える。

今日は5時まで待って、先生とクリスマスの待ち合わせを決めた。

ゆっくりと毎日を噛み締める。

それでも一度動き出した私の時間はどんどんと前に進んで行く。

冬休み…、すぐにクリスマス。

初めてルージュを引いた。

パールホワイトのラメが入ったピンク色のルージュ。

たった、それだけで自分が別人のように感じる。

先生との待ち合わせ場所に行き、空色の車に乗る。


「今日の夢は凄く綺麗だ。」


いつもならすぐにキスをする先生が愛おしそうに私の頬を指先で撫でた。


「先生に似合う女になりたいの…。」

「僕には勿体ない恋人だよ。」


チュッ…と軽く先生が私の唇にキスをする。

私が何も言わなくてもいつものモーテルへと車を走らせる。

モーテルの部屋は1室しか空いていなかった。


「クリスマスだから…。」


先生と2人で笑った。

クリスマスは恋人と繋がりを求める日なんだと理解をした。

部屋に入りながらキスをする。

先生のセーターを私が脱がせる。


「夢は意外とせっかちだなぁ…。」

「先生ぇ…、早くぅ…。」


わざと甘えた声で強請る。

興奮をしたように先生が私をベッドに押し倒す。



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