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写性 …SHASEI…
第4章 淫夢


「お父様、お庭が見たい。」

私は昨日から家を出ていないことに気づいた。

「そうだね。ご飯を食べたら午後は外で遊ぼうか…」

カラン…カラン…

「ああ、素敵な音…」

「僕の友達が沢山作ってるんだよ。」

「その人は絵描きさん?」

「違うかな…」

お庭に出ると沢山の木があった。お花も沢山あって迷路みたいだった。

くねくねと道を歩きお花を見る。
それだけで時間が掛かる。

「お父様…あの黒いのは何?」

どこに行っても黒い高いものに囲まれてる。

「塀だよ。」

「何で塀に囲まれてるの?」

「沙絵を守るためだよ。」

「塀の向こうには何があるの?」

「あの向こうには何もないよ。沙絵と僕の世界はあの塀まで、塀の向こうはずっと真っ暗なんだよ。」


ここに来た時、眠っていたからわからないけど、私達は外から来たはずだ。

塀の外には何もないのに、塀は何から私達を守るんだろう。

変だなと思ったけど、お父様と一緒に暮らせればいいから、いいか…

そう考えてわかったと返事した。


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