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溶ける
第5章 ラボ

父のラボに到着する。
父の留守を預かる責任者が私の後ろで我が子を抱いて着いてくる。

「症例は一例だけ、
原因不明…
治療方針もない。

だが、ウィルスの可能性が疑われているので、施設の何処にも触れずに進んでください。」

研究者は後ろから、至極冷静に話す。

今歩いている所はラボの大会議室。

真っ白な床に、五人掛けのクッションの薄い白い椅子が、階段状に並んでいる。

歩きながら足裏が溶けて床を汚していく。

踵はもう骨が直に床に触れていた。


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