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ほのぼのした時間を
第10章 彼氏の観察

部屋に戻ると、わたげちゃんは一目散にリビングに走って行った。

ソファの下に寝転がって、何かに噛み付いている。
それは以前春人に買ってもらったという、あざらしのぬいぐるみ。

結構日にちが経ってるらしいけど、甘噛みしているからか、あまり破けた箇所は見当たらない。
甘噛みとはいえ、ガブガブされてるあざらしはちょっと可哀想…

今のうちに掃除機を掛けようと、端に置いてあった充電スタンドから取り外した。

コードレスの最新式の掃除機…
私も新しいの欲しいなー。
スイッチを入れると、音に反応してわたげちゃんが吠えだした。

「ワンワン!」
「危ないよー。わたげちゃんのこと吸い込んじゃうよー」

わたげちゃんをあしらいつつ、リビング、脱衣所、寝室、作業部屋と順に掃除していく。
作業部屋の掃除を終え、ソファベッドに腰掛けると、ギターに目が溜まった。

春人がライブでよく使うギター、木製のギターとベース。
作曲中、よく部屋からギターを鳴らす音が漏れ聞こえてきて、春人が頑張っているのが伝わってきた。




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