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ほのぼのした時間を
第3章 日常2

1.待て

「なあ、茜さんまだ?」
「んー、もうちょっと…」

仕事終わり、私の部屋に春人が遊びに来てくれた。
仲良くイチャイチャ…というわけではなく、私はパソコンとにらめっこをしている。

というのも、仕事で使う資料を作らなければならなかったから。
家に仕事は持ち込まない主義なんだけど、今日は歯医者の予約を入れていたので、残業が出来なかった。

「ごめんね、あと少しだから…」
「早く構って欲しいなー。なぁ、くまのスケ」

つまらなさそうに、くまのスケのお腹をモミモミ。
今の春人は「待て」と言われた犬状態。

…本当はもう作り終わったんだけど、構って欲しそうな春人が可愛くて、パソコンを叩くフリをしてる。

待ちきれなくて、尻尾をブンブン振ってるのが見える…!
もう待たすのも可哀想だから、隣に座る春人にくっ付いた。

「お待たせ」
「いや、待ってないよ」

嘘つけ!
「構って欲しい」って言ってたじゃん!

ギュウウ…

「あー、やっと触れる」
「そんな大げさな…」
「ホンマに、ずっと触ってたいもん…」
「もう…」
「今日さ、泊まってもいい?」
「いいよ」

「えへへ」と笑う声を聞いて、同じように頰が緩む。
待たせた分、残りの時間は思いっきり甘えさせてあげようかな。


ー完ー



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