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従妹と、離れで過ごす夏
第1章 親戚の家に行け、とな?
「おじさん、来たよ」
「おう、ヨリトくん、来たか」

僕は、今年、大学1年生。
大学生になって初めての夏休み。ゆっくり朝寝しようと部屋のベッドで朝寝していたら、親に叩き起こされた。
そして、起きるやいなや、親二人、ヨーロッパに2か月の演奏旅行が急に決まったから荷物をまとめろと言われた。
あ、そうか、これはいつものことだ。
僕は子供時代から、こんな感じで夏休みと言えば突然演奏旅行する、と言って、夏休みじゅう連れ回されるのが、普通だった。
親二人は、音楽家だ。父親はピアニストで、母親はヴァイオリニストだ。
しかしなぜか、僕は音楽の才能は皆無だった。歌は、超音痴。
それで、何時の飛行機かと聞くと、親二人は、今年からおまえは連れて行かないと言う。
あ、そうか、大学生になったし、一人放置しておいても大丈夫ってことか。
よし、これは悠々自適のひとり暮らし到来だな、自宅だし家賃も要らない。これは、最高だ。
と気楽なシングルライフを思い描いていたら、おまえ、鎌倉へ行け、と言われた。
え?
鎌倉…。予想は、ついた。
鎌倉には、母親の兄、つまりおじが住んでいる。
おじの家は、おじと、その奥さん、そして僕の従妹に当たるゆみちゃんの、3人暮らしだ。
その家には長男として、ゆみちゃんの兄貴がいるんだが、今は、若き有望な音楽家としてアメリカに住んでいる。
おじも、その奥さんも、世界的ではないが、国内では名の知れた音楽家だ。
あーあ。僕のお気楽な独り暮らしの夢は、絶たれた。
しかし、待てよ。
その家には、ゆみちゃんが、いる。あの、ゆみちゃん。今年の正月に会ったゆみちゃんは、とてもかわいい女子中学生に成長していた。今まで3年ほど、ゆみちゃんの用事で会えなかったんだ。細身のやせすぎ女子だったゆみちゃんは、ちょいぽちゃ小太りの、僕のモロ好みのタイプの女子になっていた。
これは、楽しくなるぞー。僕は、一転、ウキウキした。
ゆみちゃんと仲良くなって、デートでもできたら最高だなーと思った。
もちろん、ゆみちゃんとエッチしたいけど、それは、ねー。まだ中学生だし、ムリというもの。
エッチするにしても、落ち着いた雰囲気の中、ラブラブな感じでゆっくりとしたいし。
無理強いは、僕のキャラじゃない。

「ヨリくん~~~」
おじの後ろからすっと現れたのは、かわいい、かわいい、従妹の、女子中学生の、ゆみちゃんだった。
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