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嘘やろ!?
第1章 キャバクラ学園



「ハイハイ…、静かにして…。」


毎日、毎日、飽きもせずに何度も何度もこの言葉を言う羽目んなる。

いい加減に言われてる方も飽きたやろ?

と言いたくなる。

私が発言をしたとしてもいつまでもこのザワつきが収まる気配はなく苛立ちが湧く。

ここは幼稚園やないで…。

早い子ならもう選挙権もあるやん…。

そう思うとため息が出る。

床が一段上がった教壇の上から、ザワつく彼らを見下ろす。

3人の女の子はキャーキャーと今日の帰りに食べに行くつもりのパンケーキの話に夢中…。

ある子はスマホをしっかりと握りしめてイヤホンから流れて来る音楽の世界に夢中…。

ある男子のグループはやはりスマホで仲良く流行りのゲームで遊ぶのに夢中…。

このザワつきの極めつけはカップル達…。

彼女は自分のつけまつ毛やルージュの確認に忙しく鏡を覗き込み、彼氏は忙しい彼女の気を引く為に肩を必死に抱き寄せる。

それもカップルは1組だけじゃない…。

このクラスに4組もそんなカップルが存在する。

世間じゃ噂で、この学園の事をキャバクラ学園と呼ぶらしい。

アンタら、その噂が悲しくないんか?

この子達には聞くだけ無駄だからそんな事はいちいち聞かない。


「来週の三者面談の日程について保護者の方に必ず連絡をする事…、話し合う内容もちゃんと親御さんと話し合うようにしてね。」


事務的に連絡事項だけを伝えると、とにかくこのHRという名の終礼を無理矢理に終わらせる。

終礼が終わったと分かるや否や、彼らは一斉に教室から飛び出して行く。

人の話は聞いてなくとも終わったという事だけはわかるんかい?

とツッコミたくなる大阪のとある高校。

一応、これでも私立なんやけど…。

クラスの大半が居なくなると今まで大人しかった子がグッと目立って見えて来る。


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