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嘘やろ!?
第2章 イケメン君



学校を出たら真っ直ぐに最寄りの駅に向かう。

本来の自分が降りる駅を通り過ぎて繁華街がある大きなターミナル駅へと辿り着く。


「朱音っ!」

「結愛(ゆあ)!」


私に手を振る友人の結愛に駆け寄った。


「千里(せんり)は?」


もう1人来るはずの友人の事を聞いてみる。


「多分、また遅刻や。」


結愛が苦笑いを浮かべる。


「相変わらずやね。」


私も笑うしかない。

結愛も千里も学生時代からの友人。

女子高から同じ大学に進んだ仲良し3人組…。

結愛と千里は極普通のOLの道を選んだ。

しかも、結愛はもうすぐ結婚をする。

相手は会社の同僚の男…。

この6月の終わりには挙式をあげる。

今夜はその結婚祝いと…。


「お待たせー。」


遅れて来た千里が私達の居場所へと小走りに駆け寄って来た。


「遅いよ。」


毎回、千里は私達よりも電車1本分を遅れて来る。


「だってさぁ、結愛はお祝いだから奢るのはわかるよ。けど今日は朱音にも奢らんとあかんねやろ?」


可愛らしく千里が口を尖らせた。

そりゃ、奢って貰うわよ…。

アンタん時も私は奢ったんだから…。


「まさか今更、朱音が振られるとはね…。」


空気を読むのが苦手で生真面目な結愛が一番聞きたくない一言を発した。


「その話は後、まずはご飯に行こう。」


結愛と千里を引き連れて夜の街へと歩き出す。

イタリアンレストランでまずは食事。


「結愛、結婚おめでとう!」


私と千里で結愛のお祝い。

だからここは私も結愛に奢る。

3人の中じゃ一番地味だった結愛が同僚である地味な男とめでたく寿を一番に決めた。

3人の中で一番可愛らしく派手な千里は惚れっぽくてすぐに男と付き合っては捨てられるを繰り返す。

3人の中で一番しっかり者で頼りになると言われ続けて来た私は…。



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