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50センチの距離
第7章 ホットストレートティー
閉店まで時間がないから、食べる手は止めず、村上さんと喋る。

「夜もよく来るの?」

「偶に。ひとり呑みってなんかカッコ良くないですか?」

「カッコいい。俺まだひとり呑みデビューしてないわ」

「いいですよ、ココでデビューしても。」

「んー、でも雰囲気いいバーなら彼女と来たいかな。」

とクスクス笑う。

「…ご馳走さまです。」

どうせ私には誘う彼氏もいませんわ! これだからリア充は!
カレーを食べ終え、紙ナプキンで口を拭いて、ひと口お冷を飲んでからゆっくりホットストレートティーを飲んだ。
落ち着く…

お会計は、私が持つつもりだったのに、食べ終えた村上さんはホルダーからピッと伝票を抜き取り、

「いい店教えてくれたお礼♪」

と今日もやっぱり2人分払ってくれる。

モテるワケだよ、村上さん。
行動のいちいちがスマートなんだよね。
私の好みではないけど。

てかそんなこと言ったら村上さんに、こっちこそな、て怒られそうだから言わないけど。

私の好みは…もっと、男性的な………

店を出る間際、振り返りざまにカウンターの中の高塚さんをチラッと見た…………






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