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愛おしいキミに極甘な林檎を
第36章 You belong to me


「こう見えて執念深い性格なものでして。……ご無礼を承知で申し上げますが、賭け事でもいかがでしょうか?」


不敵な笑みを浮かべるソラ先輩は手土産と共に持ってきていたバッグを開けた。



何を持ってきたのかと思いきや、取り出したのは折りたたむことができる将棋盤だった。


テーブルの上にそれを置くと祖父の表情が興味を示すように変わった。


「ほう。お主は将棋をやったことがあるのか」


「いいえ、お恥ずかしながら始めたばかりです」


「はっ、わざわざ負けにくるとは愚かなものだ。……それで何を賭けたいのだ?」



「俺が勝ちましたら風子さんをください」


ソラ先輩……。


そこまでして私のことを……――――


何の躊躇いもなく真っ直ぐに言ったソラ先輩を見た祖父は嘲笑いをしていた。


「よかろう。だが、お主が負けたら風子のことを諦めてもらおう。賭け事を提案してきたのだからその覚悟もあってわしに挑むのであろう?」


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