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愛おしいキミに極甘な林檎を
第38章 真実と愛のかたち



両手を広げてその幸せを噛み締める。


涙か雨なのか分からない雫が頬をつたって落ちていくるけど私の表情は笑っていた。



「そうか……」


「捨てられていなかったと知れて、大切な乙羽家の両親の借金もなくて、問題も解決されて助けたかった人が笑顔になる。なんだか夢を見てるみたいです」



「夢じゃないから戻っておいで。せっかく悩みが解決されたのに風邪を引いたらまた悩みが増えるだろ」


冷たい雨の中にやって来たソラ先輩に手を引かれて軒下に戻される。



「えへへ……、ごめんなさい。……でも私と祖父に話していた奇跡ってこういう事だったんですね」


「瀬戸内さんが養子になることまでは予想していなかったけど」



「じゃあ、母が私を捨てていなかったことも予想できていたんですか?」


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