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愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去

外に出ようとしても腕を掴まれたままで動くことができず、電車の扉が閉まって発車してしまった。
この電車がどこに行くかも分からない。
ソラ先輩と離れてはいけないのに離れてしまった。
青ざめているといつの間にか両腕を掴まれていたことに気づく。
しかも腕を絡ませて馴れ馴れしく触れている。
東京にここまでする知り合いは誰一人いない。
もしかして私は誘拐されてしまったんだろうか……。
一瞬息を止めてから恐る恐る両脇を見るとつばの広い帽子を被った女とキャップを深く被った男が立っていた。
二人ともサングラスを掛けて目元を分からないようにしている。
「誰…なんですか……?」

