この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第58章 初恋の人

渡す相手がいないことを告げると、何を思ったのかそのチョコをじーっと見ている。
幼い頃に誰かに渡したハート型のチョコを再現してみたからかなり子供っぽい。
いい大人になってこれを相手に渡すとしたら、かなり大きなインパクトを与えることができることだろう。
ちなみに他の男の名前を見られたら困るから、念の為“ハッピーバレンタイン”の上はスペースを空けておいた。
そこに誰の名前を書いたのか分からないのもあるけれど……。
「きっと、このハートのチョコはお父さんにでもあげていたんだと思います。
チョコペンの残りがあるので、今“ソラセンパイへ”って書いて完成させますね」
沸騰させたお湯にチョコペンを入れて解かして取り出すと、なぜなのか手の平を向けてくる。
「貸して」

