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愛おしいキミに極甘な林檎を
第61章 真実の愛と花嫁の決意

何か話す隙を与えられないまま再開されるキス。
口付けをするだけでなく、次第に腔内に舌を入れられて私を強く求めるように絡めてくる。
生暖かくて甘く痺れる何とも言えない感触。
それを目を閉じて堪能しながら大人しく受け入れた。
終わった後には自由に呼吸できる口が寂しく感じて、ソラ先輩の着ているパジャマの袖をぎゅっと握った。
「……前のことを早く思い出すのでどこにも行かないでください」
「仕事にしか行かないよ。心配はいらないって言ったよね」
「…………」
「記憶を取り戻すのだって焦らなくていいから。少しずつ周りのことを知っていけばいいんだし、今は元気になるように休んでいるだけでいいんだよ」
「元気になってきましたよ。その証拠にこうやって起きていられるんですから」
唇を押し当てるようにキスをして何ともないことをアピールする。
なかなか治らなかった頭痛だってソラ先輩が隣に来てからいつの間にか消えていた。
「じゃあ、元気かどうか調べさせてもらうよ」

