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第62章 愛おしいあなたに……

「気持ちいいことをちゃんと言えて偉いよ。いいと思ったことはもっと教えてね」


握力は私よりずっと強いはずなのに、壊れ物にでも触れるように指先を動かしてくるところが堪らない。


骨ばった男らしい手からは想像できない絶妙な指先の力加減。


これも私と長年付き合っているうちに覚えたんだろうか。


「じゃあ、ソラ先輩の方の知り合いも教えてください……」


「それは今は違うな。俺が教えて欲しいのは風子の体のこと。

結婚式のゲストのことは一気に覚えると疲れると思うから無理しないで。

式の時は殆ど一緒にいるんだから助けてあげられるから」


「分かりました。大人しく頼ります」


「物分りのいい妻だね」


「あっ……、んっ……、あぁ……、そんなにいじっちゃ……、あああっ……」