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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……



「必ず今までの事を思い出しますからね」


回復していることを告げるとソラ先輩はやんわりと笑みを向けてくれた。



お色直しで披露するグレーのタキシードも似合っていてスマートに着こなしている。


正面にある鏡に映っている姿を見ると私の着ているドレスにピッタリな配色だった。


並んでいる姿を見ていみるとこんな私でも王子様のお姫様になれている気がする。


「楽しかったことを思い出して欲しいな」


「どのくらいありますかね?」


「いっぱいあるよ。もちろん今日もだけど」


肩を寄せながら手を重ねると指を絡めて繋いでくれて、誰にも見られない場所で甘えられる喜びに浸っていた。



でもホッしながらもチクリと心が痛む。


今日だけは許して欲しい……。



お姫様でいられる間だけでいいから……。


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