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愛おしいキミに極甘な林檎を
第1章 Sの彼氏

胸が大きいせいでたまに男からいやらしい視線を飛ばされる。

だから、コンプレックスだ。


今だって知らない男の腕に当たって胸がふにっと潰れたばかり。


乗り降りが集中する駅に到着すると、胸が当たったその男はニヤニヤしながら電車を降りて行った。


もう会わないと分かっていてもゾクリとする。



「はぁ……」

やっと席に座れて溜息をつく。


近くに座っている人がいないのを利用して、朝から気になっていた物をバッグから取り出す。


それは会社に向かう前、母から渡された茶色い封筒。


どうやら私宛でポストに届いていたらしい。



なんだろう……?


首をかしげながら封を切り、中身を取り出して見ると唖然とした。

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