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愛おしいキミに極甘な林檎を
第16章 お試し同棲の夜は激しく…
ママか……。
幼い二人に兄との結婚と言う僅かな期待をされたままでいるのも悪い気がする……――――
午後十時過ぎ。私以外が寝静まってから理人さんが帰ってきた。
縁側に立って外の景色を眺めてながらビールを飲んでいる時に近づいて肩をトントンと叩く。
「どうなされました」
遅くまで残業をしてきて疲れているはずなのに、普段と何ら変わりのない冷静な声がこれから話す緊張をほぐしてくれる。
「私、本当に決めました」
「何をですか。肝心な主語が抜けてます」
「結婚したい相手です」
決意を口にすると理人さんは眉根を寄せてから私から視線を逸らした。
「僕……じゃないですよね?」