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愛おしいキミに極甘な林檎を
第24章 離れ離れと深まる絆


「へっ……?」

“結婚”という言葉が出て思わず立ち尽くす。

私がそうしている間、財布とスマホだけ持った課長は微笑を浮かべて去っていた。


パタンとドアが閉まり、部屋に一人になってから我に返った。

せっかく大事な話を課長から切り出してくれたのにどうして引き止めなかったんだと後悔の念がよぎる。


でも今の課長の台詞で祖父の言っていた結婚の話は冗談ではなさそうな気がしてきた。



気になってまた今晩も眠れない……。


照明を暗くしてベッドに入って布団を被るものの、色んな不安が次々と頭に浮かんできて目が冴えていた。


大丈夫。出張一日目が終わったばかりでまだ課長と一緒にいる時間はたくさんある。


明日こそ聞こう……。

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