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愛おしいキミに極甘な林檎を
第27章 婚姻届の行方


でも……――――


「他の人がいくら入ってこようとしても私の心の中にずっといる人は塑羅緒さんなんです」


「風子さん……」


「それに婚姻届を出した後も私が愛する人は変わりませんから郁哉さんを一生不幸にするだけです。そっちの方がつらいと思います」



揺るぎない眼差しを向けて言うと理人さんは目を閉じて深い溜息をついてから私の手を放した。



「……僕は千十郎様が婚姻届をどこにしまったのか知りません。ですが、ここは仕事関連の部屋なのでプライベートの物は置いていないと思います。黙っているのもこれで最後ですからね」

「ありがとうございます……!」


「まったく、頑固で困った女ですね。……どうなっても知りませんよ」


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