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愛おしいキミに極甘な林檎を
第27章 婚姻届の行方



「自分で電話を掛けなさいよ。那砂は今日はもう颯太くんと話す用はないから~。
それに風子ちゃんが電話をしたら颯太くんは喜ぶと思う」


「っ……、私は嫌なんですけど……」


勧められてスマホを取り出して電話帳を見る。


ソラ先輩に夢中になってから掛けることがなかった颯太の電話番号。

携帯電話の会社を変えたのかすら分からない。


もしそのパターンだったとしても那砂さんがいるから連絡は取れる。


でも電話を掛けることに躊躇してしまう。

元カレじゃなかったらまだスムーズに掛けれたと思う。



だけど、ソラ先輩に会える唯一の手掛かりを前に迷っている場合ではない。


勇気を出して通話ボタンを押した。

電話が繋がるまで緊張と不安で手が震える。


『はい』


「もしもし……。颯太さんでしょうか?」


『風子が電話を掛けてくるなんて珍しいな。どうした?』


「ソラ先輩が……、彼氏がどこにいるか知りたくて。教えてください……」



『そうだと思った。……××駅近くの病院に来い。病室は601号室だ』


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