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愛おしいキミに極甘な林檎を
第28章 結婚と彼女


謝らないで欲しいと首を横に振ると、ソラ先輩は点滴をしている方の手を伸ばしてきて私の頭を微かに撫でるように触れてきた。


慰めてくれる大きな手は他の誰にも変わりができない特別なもので、いつか触れられなくなる日が来ると思うととても怖かった。


私の涙が落ち着いた頃、ソラ先輩は時計を見て首を傾げる。


「あれ……、颯太が戻ってこないけど帰ったの?」


「はい。帰るって言ってました。……どうして私じゃなくて彼に頼っていたんですか?」



「颯太のお母さんに前に会ったら遅めのゴールデンウィークで休んでるって聞いたから。
風子にまで迷惑を掛けれないよ。それに、いなくなったらまたお爺さんに怪しまれるだろ」


「祖父には何度怒られても耐えられます。ソラ先輩の方が心配です」


「嬉しいことに大きな問題が一つは解決したんだ。必ずお爺さんのところから解放してあげるからもう少し頑張っていて」


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