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愛おしいキミに極甘な林檎を
第30章 低俗な野望と片思い
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「そうですよ。ハム五郎も天国に行って元気に暮らしながら僕らを見守っていてくれます」
「兄ちゃんいやだぁあ。ハム五郎……」
当たり前のようにいた存在がいなくなる。
それがどれほど悲しいものか私はまだ知らない。
でも、死んでしまったら話をすることも、触れる事さえもできないことだけは分かる……――――
しばらく弟と妹を慰めてから、やっと自分の部屋に行ってソラ先輩にもらったプレゼントを手に取って眺める。
右手の薬指につけているペアリング。ネックレスにブレスレット。
記念日以外の日にもプレゼントを沢山もらって全ての物に思い出があった。
キラキラ光っている物を見ていると、私に渡してくれた時の笑顔が浮かんできて恋しくなる。
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