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愛おしいキミに極甘な林檎を
第30章 低俗な野望と片思い



仕事の用事で祖父が和室から先にいなくなった後、立ち上がった理人さんに駆け寄る。


「もしかして那砂さんから聞いて私のことを助けてくれたんですか!?ありがとうございます!……理人さん?」


庇ってくれたにしては様子がおかしい……。


冷たい表情をている理人さんにゆっくりと追い詰められてから壁に両手をついて逃げ場を塞がれる。


「那砂から?何の話です?」



「えっ……。違うんですか……?」


「ずっと風子さんを狙っていた僕がチャンスを目の前にしていつまでも黙ったままでいると思いますか」



頬に触れられて顎を上げられると理人さんの顔が近づいてくる。


「今度こそ本気ですよ……」

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