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恋のばんそうこう
第4章 か
そんなやり取りをした後
なんとなくギクシャクしたままBBQに参加した。

「おい!綾香!そうじゃないって!任せてらんない。かせっ」

焼き係をしていた私のトングを白木は奪った。

「え。良いよ。私、あんまり知り合いいないし。白木、楽しんでおいでよ」
「だから言っただろ」

もしかして、私が楽しくないかも、って思ってくるの拒んだの?
なに・・・優しいじゃん。

「ったく。しょうがないな。お前俺のそばにずっといろ」
怒ったように言ったその声に
思わず噴き出しそうになった。

冷たく言っているようで、私の事を考えてくれているのが丸分かり。
怒った口調で言ったってちゃんと分かっちゃうんだから。

「そうする」

そう言いながら、白木のジーンズのベルトループに指をひっかけた。

「おい!」
「何?」
「動きづらいだろうが!」
「どこにも行かないように」

そう言ってギュッと指を締めた私の手を実際には振り払おうとせずに

「勝手にしろ」

とお肉を焼くことに専念した。

たまにループをクイッと引っ張ると
「何?」
と不機嫌な声が返ってくる。
「何でもな~い」
「お前・・・いい加減にしろよ」
そう言いながら、腰を振って、イヤなそぶりをするわけでもなく
手を払いのけるわけでもなく

ジーンズのベルトループに引っかけたままの私の指を
そのままにしておいてくれる。
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