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恋のばんそうこう
第6章 ぶ
そうなんだよね。
里香さんを好きな成田先輩を好きでも
乃恵を好きな白木を好きになったとしても
私にはどうしようもない。

全く。
私ってやつは、両想いになってくれそうな男子を好きになる事はないらしい。

なんか、大人になれば恋愛なんか簡単に出来ると思ってた。
大学生になったら、彼氏は絶対にいるもんだと思ってた。

でも違うん
だね。

片思いは高校生と同じように解決なんかしなかったし
恋愛だって上手く行かない。
スタートすらしていない。

成田先輩への恋心はスタートする前にフラれて・・・
ひとりで傷ついて。
ひとりで泣いて。

その傷が癒えたと気付く前に、また新たな傷を作って。

我ながら不器用な恋愛事情だな。
大学生の恋愛とは思えない。

大学生になったら
もっともっと・・・
上手に恋愛が出来ると思ってた。

「俺が好きだって知ってた?」

そう笑った上杉君は、毎日楽しいメールを送ってくる。
決して白木の事は聞いてこない。

そして、私も挨拶程度の返事をする。

あの時・・・
私を好きだと言ったくせに
メールの内容からは、グイグイ来る感じはしなくて
私を楽しませるためだけのメール。

人の気持ちに敏感な男子に、優しい扱いを受けるのは初めてで
こんな男を好きになれたら、何の悩みもない付き合いになっただろうな。
なんて上杉君に申し訳ない事を思った。

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