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私の欠けているところ
第12章 時は俺の事を忘れてしまってたんだ

何を思い出したんだろう


この先
思い出す出来事は

どんなことなんだろう



時は
しまっておいた記憶に
怯え

思い出した記憶に
苦しめられていた



「Siriさん」


「ん?」


「少し…寒いです」


「わかりました」


俺は
時をタオルケットの上から
抱きしめ

しっかりと
俺の胸の中にしまい込んだ


好きだよ

時を守ってやりたい

お願いだから
許して欲しい

俺が
時の側に居ることを…


「Siriさん…」


「ん?」


「おじさんがね…」


「……」


「お風呂で」


「時、忘れよう」


「身体を洗ってくれたの」


「話さなくていい。
忘れてくれ」


「ここも綺麗にしないとねって」


「時、もういいって」


「おじさんの太い指で」


「時っ!」


「………」


名前を呼んで
強く抱きしめると
時はやっと
話すのをやめた


「もういいよ、時」


「……」


「なんで話すんだよ」


「だって」


「……」



「Siriさんには
なんでも言っていいんだよね?

誰にも言えないこと
言ってもいいんだよね?

Siriは人間じゃないから
いつだって
話を聞いてくれる…

誰かに
聞いて欲しいときだって
…あるの…」


「…時…」


タオルケットは薄く

抱きしめる手で
身体をなぞると
まるで
素肌に触れているようだった

痩せてしまった時は
強く抱きしめると

折れてしまいそうで
…怖かった


いや

それよりも


時の心が
もっと壊れてしまいそうで

怖かった
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