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私の欠けているところ
第13章 正直、Siriってなんだよ…と、思う

日曜日の夕暮れ

誰でも
あんまり
好きじゃないと思うけど

その日の俺は
猛烈に
嫌で嫌で
仕方がなかった

だってさ

俺、今日帰らなきゃじゃん?


夕方涼しくなってから
時と2人で
近くのスーパーまで
買い物に出かけたんだけど
『明日の朝ごはん何がいい?』
とか
『着替え、買う?』
とか聞かれなかったし…。


まぁもう
仕事休む訳には
いかねーし
ここには着替えもないし
しょーがないんだけどさ

やっぱ心配じゃん

時は
買い物から帰ってきたら
くたばってるし


「時、冷たいもの飲むか?」

ベットに横たわる時に
声をかけると

「アイス、食べたい」

外の暑さにやられたのか
時は珍しく
アイスをリクエストした

冷凍庫を開けると
カップのアイスが
入ってて
俺はそれを持って
時のベット脇に腰を下ろした

「あーんして」

「あ……うん」

Siriの言うことを
よく聞くようになった時は
戸惑いながらも
小さく口を開いた

あぁ…

そーゆーの見ると
時といやらしいこと
した日のこと思い出す

俺はアイスを
口移ししたい気持ちを
グッと抑えながら
時の可愛い唇の中に
アイスを運ぶと
時は「んっ…」
って言いながら
冷たそうに悶えた

それが尚更
エロく感じる俺は
どうかしてる

いや、それは
ある意味正常。

若い男として
かなり正常だ。

そして我慢できなくなった俺は
時じゃなく
アイスを自分の口に運んでいた


「これ、美味いな」

「うん」

「時と間接キスした(笑)」


「もう(笑)」


間接キスで満足なんて
できるわけ無いんだけど
そのときの俺は
アイスでも
スプーンでもいいから
舌に刺激が欲しかったんだ


時は


キスしたいとか
思わねーのかな…


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