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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第27章  狂気の欠片
  


 自分の意思は、いったいどこに行ってしまったのだろうか。人形のように生きるだけが全てならこの心も無くしてしまいたい。


「〝月良〟、もっとゆっくり食べなさい。ノドを詰まらせるわよ。」


 目の前で飢えた子のようにお行儀もなにもあったものでもない食事の仕方に窘める。


「お腹が空いたのだもの。」


「判っていけれどもう少しゆっくり食べなさいな。」


 呆れながらも少女の食事を見守る。


「こらっ、お肉ばっかり食べない!お野菜も食べなさい。」


「いやぁー、奈音がお母さんみたぁーい。」


「っ、誰が〝お母さん〟ですって!!」


 お皿の端に野菜を選り分けている少女に注意をしたら訊き捨てのならない言葉を言われた。

 あの乙女グループのパーティーから少女の様子は、おかしいままだ。初めて逢ったときのような純真無垢なときもあれば今のように我が儘な態度のときもある。


  
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