この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第38章 狂宴の彼方へ
「嬉しいな。ところでどこか不具合は、ない?」
「いいえ。身体が怠いだけです。」
寝たりの状態でかなり居た所為だろうと考えた。
「そう。かなり眠っていたからだろうね。
医師を呼んでくるよ。」
「待って、干亜さん!」
「ん、なんだい?」
「兄ちゃんは・・・・・・っ」
訊いておかなければならいことだ。
「無事だよ。月良ちゃんが頑張ったからね。」
「よかった・・・・・・」
「医師を呼んで来るから待っててね。」
「はい。」
返事をすると男が出て行った。
自分のことよりも兄が無事が大事だった。たとて兄が本当の兄でなくても・・・たとえ兄が自分に〝贖罪〟を求めていたとしても。兄が大事なのだ。
2人で生きてきた時間は、簡単には壊せない。
「明莉さん、気が付いて本当によかった。」