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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第4章  もがれゆく血の信頼
  


「〝気持ち、よかった・・・です・・・・・・ご主人さ、ま・・・〟」


 機械のように抑揚なくただ兄の言葉を繰り返しただけだった。


「ふん、躾が甘いようだな。」


「っんぁあ!」


 乱暴に牡を引き抜かれ鈍い痛みに襲われる。正常な感覚が麻痺していて兄の行動を目で追えない。


「〝ご主人さま〟って、ちゃんと言えるようになろうな・・・月、良。」


「・・・・・・??」


 朦朧とする意識下では、兄の行動が判らない。


「痛っ!!?」


 痛みでようやく兄が自分を縛り上げていることに気が付いた。


「あまり動くとケガをするぞ。」


 カチャンっと後ろ手に拘束した縄に天井から下ろしたワイヤーフックをかける。


「やっ、やだぁあ。」


 ゆっくりとワイヤーが巻かれる音がすると身体も宙に浮き始める。


「まだまだ・・・これからだぞ、月良。」


 吊される姿に見惚れる。


  
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