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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第8章  飼育員に浚われる身体
  


「あらあら、百面相。どうしたの、月良さま。」


「っ、恵さ・・・っ」


 物思いに耽<フケ>っているといつの間にか〝かせいふ〟が部屋に戻って来ていた。


「さぁ、月良さまこちらへ。」


 ベッドの反対側へ行って手招きをするが小首を傾げている。


「月良さま、お早く。」


「・・・は、い。」


 促されるままに奇妙な椅子の前に歩み寄った。


「さぁ、こちらにお座り下さいな。」


「あ・・・・・・の、」


 目の前で見てようやく産婦人科の診察用の椅子だと判って後退る。


「待って。」


「っ・・・」


 腕を掴まれてビクッと身体が跳ねる。


「早く、座って。」


「あ、の・・・」


 言い知れぬ不安が広がる。


「もう、困った子ねぇ。」


「えっ、きゃっ!!?」


 渋っていると抱き上げられて椅子に座らされた。


「動かないで。傷を付けたくないわ。」


  
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