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第14章 相手がいない…



そわそわして落ち着かない。

窓はなく壁一面が鏡になっていて私と涼ちゃんが映し出されている。

唯一、鏡ではない壁は薄いピンク色のガラスの壁でその向こうにはピンク色の壁をしたお風呂場が丸見えになっている。

部屋の壁際にはピンク色のソファー。

その正面にはピンク色の布団が乗った丸いベッド。

見上げる天井も鏡張り…。

目が痛くなるほどのピンク、ピンク、ピンク…。

涼ちゃんが照明のスイッチを押してみる。

鏡の端に取り付けられたスポットライトがピンク色のベッドを更にピンク色に照らし出す。


「エーゲ海…。」


思わず、呟いた。


「勘違いだな。」


涼ちゃんも呟く。

そのまま、沈黙をする。

ここまでの露骨な演出には尻込みをしてしまう。

深呼吸をしてソファーに座る。

涼ちゃんが隣りに座る。

私の肩を引き寄せるようにして抱いて来る。

ゆっくりと頬にキスをする。

顔が熱くなって来る。


「この部屋…、暑くない?」


自分の顔が赤くなるのを誤魔化すように聞いてみる。


「暑いなら…、脱ぐ?」


私の髪を掻き上げて耳の下にキスをした涼ちゃんが囁くからくすぐったい。

カーディガンが脱がされてキャミソールの背中からいとも簡単にブラジャーのホックが外される。


「シャワー…、する?」


器用に涼ちゃんがキャミソールの隙間からブラジャーだけを引き抜いてしまう。

私のお着替えに妙に慣れているから、こういう事だけは素早いとか思っちゃう。


「あのお風呂で?」

「見ないようにしてやるから…。」

「鏡に映るから…、絶対に見えるじゃん。」

「じゃあ…、一緒に入る?」


スカートのファスナーが下ろされた。


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