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第14章 相手がいない…



涼ちゃんが少しだけ笑ってくれる。

大好きな涼ちゃんの笑顔が見たいと思う。


「私がしてあげる方がいい?」


涼ちゃんのジーパンのボタンを外してあげる。


「理梨がしたいの?」

「正直に言うと自信がない。涼ちゃんに触られるとすぐに感じちゃうから…。」

「なら…、無理は必要ない。」

「でも…。」

「俺が欲しかったのは理梨だけなんだ。それだけを理梨にわかって貰えたら、それでいい。」


やっと涼ちゃんが笑ってくれる。

私が思う欲しいと涼ちゃんが思う欲しいの違いがわからない。

涼ちゃんが私の胸に顔を埋める。

そんな涼ちゃんの頭を撫でてみる。


「して欲しい?」


涼ちゃんが笑って聞いて来る。

わかんない…。

涼ちゃんとえっちな事をする為にホテルに来たはずなのに…。


「俺しか要らないって理梨にも思って欲しい。」


涼ちゃんがそう言って私の首の下の方にキスをする。

涼ちゃんは私が嫌がるからファンの人を突き放した。

私は?

涼ちゃんが嫌がったのに勇気君の事を開き直っただけだと思う。

でも…、勇気君とはちょっと話をしただけなのに…。

嫉妬や束縛の本当の意味をまだわかっていない私。

ただ試合前の涼ちゃんを不安にさせたくない気持ちだけで答えてしまう。


「涼ちゃんにして欲しい…。」


その答えが正しいのかなんてわかっていない。

涼ちゃんを傷つけたくなかった。

首筋を何度も涼ちゃんがキスをする。

背中に腕が回されて私を抱きかかえるようにして肩や腰を撫でていく。

まるで壊れもののような扱い。

ふわふわのベッドでふわふわの扱いをされて自分の感覚を失うように身体の力が抜けていく。


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