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第15章 迷子…



人の恋愛には興味がない。

涼ちゃんとの恋愛にすら精一杯の私…。


「RYOJIのフィアンセは随分とキュートな子なんだ…。」


猫がニヤニヤとして私の顔を撫で続ける。

このまま迷子も困るけど…。

本能的にこの人から逃げなければとか考える。


「とにかく、行きますから…。」


ミケの身体の横からすり抜けようとした。


「別に怖い事はしませんから逃げなくても大丈夫ですよ。」


さすがファイター…。

私の逃げ道を簡単に塞いで来る。


「涼ちゃんのところに行きたいんです!」


ミケを睨みつけてそう叫んでいた。


「理梨?」


聞き覚えのある別の声がミケの後ろからする。


「勇気君!」


叫ぶとミケが私の前から少しだけ離れてくれる。

今のうち…。

ミケから抜け出して勇気君にしがみつく。


「勇気BOYも彼女と知り合いですか?」

「ミケさん…、そろそろ試合だろ?それにこの子に手を出すとRYOJIさんがキレるよ。」

「Mr.RYOJIとは1度、戦いたいから構いません。」


ミケはニコニコとして勇気君と話をする。


「RYOJIさんとは階級が違うだろ?ミケさんの相手は霧島さんだ。」

「Mr.霧島ねぇ…。」


ミケがつまらなそうな顔をする。

私は勇気君の後ろに隠れるだけ…。


「まあ、いいです。迷子のお姫様は勇気BOYに任せます。」


そう言ってミケは私の前から立ち去った。


「また迷子かよ?」


呆れた顔で勇気君に聞かれた。


「涼ちゃんの控え室…。」


泣きそうになって勇気君に道案内を強請った。


「連れてってやるから泣くなよ。俺がRYOJIさんに殺される。」


勇気君が嫌な顔をして私の手を握る。


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