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悪巧み
第5章 非常口 終宴
「いいっ、あっ、違う、男のもの、あっ、もっと……挿れてみたい……」
そう聞こえた。
俺に言っているのか、それとも無意識の呟きなのか。
「あんっ、ねえ……来て……おねがい。もう来てっ!」
今度はっきりとした声だった。
「おねがい、出して! 中に……今、出してっ!」
今、百合子は、自分が絶頂を迎えることより、牡が自分の中に悦びのうめき声を上げて、欲望の精を放つ方を選んだ。
男から女として愛されるよりも、牝として多くの牡から、射精される対象として求められることに、悦びを見い出したのか。
百合子お前はどうしてしまったのだ?
なにがあったんだ?
俺のせいなのか?
俺が伊沢にお前を抱かせたからか?
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