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第19章 白百合の臓腑

「はあン……はぅン……あん、ああん……」

　美貴は悩ましい鼻声を立て続ける。

（美貴さん、あんなにうれしそうに……）

　諏訪の片手が乳房をまさぐりだすと、美貴の身悶えは激しさを増した。
　大粒の肉の実がくにくにと捏ねられる。
　薄桃色の乳首がはやくも尖りだしている。

　美貴は気品ある鼻筋を諏訪の首根に押しつけて、たまらないとばかりに喘ぎ声をあげた。

　熱い息を男の首筋に吐いて、

「はぁン……も、もう……龍彦さんのものになりますから……
　あなたの女になりますから、ほどいて……
　二人だけで、普通に愛して」

　沼田が嫉妬に狂うような、甘く蕩ける声で訴える。

　諏訪は何も言わない。

　手は乳房から滑らかな腹部に移動した。
　両膝をＭ字に上されているため、わずかに段のついたウエストの脂肪を撫でさすり、縦長の臍窩に指を這わせる。
　そのまま、なだらかな曲線を描く下腹部へと進んでいった。