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牝獣の哭く夜
第7章 彼女の靴下
 沼田の鼻腔に、甘酸っぱい芳香が届く。

 女の下腹部から漂ってくる牝の匂いだった。
 美貴が官能を昂ぶらせている証拠である。

 沼田はちょっと幻滅した。

 負けん気の強い上司のことだから、男に身体を弄ばれても、毅然と耐えるような気がしていたのだ。

 片桐の玩弄は、剥き出しの腋窩にもおよんだ。

「おお。腋の下もツルツルしてて、たまらんぞ」

「残業つづきで毎日帰りも遅いのに、きちんとお手入れだけはしてるんだな」

 敏感な部位だけに、さわさわと触られるたびに、面白いように女体がくねった。

 沼田も負けてはいられない。

 太腿を撫でていた手を、張り詰めたヒップに進め、さらに、くびれたウエストへと移動させていく。

 パンストの腰ゴムを少しずり下げ、愛らしい臍をくすぐった。

「や、やだ。馬鹿っ、ヘンタイっ! ヘンなとこ、触らないでっ」

 腰が左右に振られ、形良い縦長の臍がよじれる。

「ひひ。ヘソも感じるって、課長こそ変態ですか?」

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